病院や診療所などに従事する勤務医。
正規のフルタイム職員として勤務しているは常勤医師と呼ばれ、正規フルタイム職員ではなく、派遣やアルバイトなど契約によって診療するのが非常勤医師と呼ばれます。
いまこの非常勤医師の在り方についてさまざまな論議があることをご存知でしょうか。
非常勤医師の待遇は、少し前に問題となった『日雇い派遣村』などの派遣社員などの待遇と似たものがあります。
派遣社員と同じように、給与、福利厚生など、さまざまな面において常勤医師とは待遇に差があります。
医院経営の事情で経費削減のために非常勤医師を多く雇用し、必要とされる常勤医師の代用としてしまう医院も多くあるそうです。
また過去には勤務実態がないのに報酬を受け取る「名義貸し」の横行が問題化したこともありました。
文部科学省が調査した結果によると、2002年2003年までに、医学部を持つ全国51の大学の大学院生延べ1161人が名義貸しに及んでいたそうです。
これは非常勤医(アルバイト)として勤務はしていたが、本来取得できないはずの健康保険証の交付を受けており、医療機関側が常勤医と偽って県に届けていた可能性が高いということでした。
医療機関が名義を借りてまで医師数を水増しする背景には、医師の配置基準の問題があると言われています。
医療法では、病床数や外来患者数によって医師定数が決まっており、診療報酬の獲得は定数を満たしているのが大前提です。
医師数が定数の何割なのかによって、入院基本料をカットされる率が確定します。
その他の診療報酬にも影響があり、医師数は病院経営の重要なポイントとなるわけなのです。
全国的に地域医療を担う医師が不足するという問題に直面するなか、各地で医師確保の取り組みが始まっています。
そのような中にあって、非常勤医師のニーズは今後ますます増加していくことと思われます。
また医師の側からも、不足する人材を補うために負担を強いられたために、常勤を離職するケースも増えているようです。
こうした医療機関と医師双方のニーズをくみ取り、非常勤医師募集の情報を公開するサイトに注目が集まっています。
将来の日本の地域医療の充実のため、より良い環境で働くことができるよう医師の転職活動をサポートするため、医療系求人サイトのネットワークが社会から必要とされているようです。
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